認知症の薬の種類と効果|家族が知っておくべき治療薬の基礎知識
宮下拓磨
"※本記事の情報は2025年3月時点の制度・サービス内容に基づいています。最新の情報は各公的機関の公式サイトでご確認ください。
認知症 薬 種類の基本知識

「お母さまが同じ話を何度も繰り返してしまい、薬で何とかならないかと不安に思ったことはありませんか?」認知症の薬について調べ始めると、さまざまな種類や効果、注意点があり、戸惑いを感じる方も多いでしょう。薬の種類や役割を理解することは、ご本人の症状に合った適切な治療を受けるために欠かせません。
認知症治療薬の役割とは
認知症の薬は、症状の進行を遅らせたり、日常生活の質を保つために用いられます。しかし、認知症を完全に治す薬はまだ開発されていません。薬の主な役割は、脳内の神経伝達物質の働きを調整して、記憶力や判断力の低下を緩和することです。
たとえば、アルツハイマー型認知症では、神経細胞の情報伝達に関わるアセチルコリンという物質が減少します。これを補うための薬が用いられ、症状の進行を遅らせる効果が期待されます。
主な認知症のタイプと薬の違い
認知症は大きく分けてアルツハイマー型、血管性、レビー小体型の3つが代表的です。それぞれ原因や症状が異なるため、使われる薬も異なります。
- アルツハイマー型:神経細胞の破壊が主な原因。コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬が使われます。
- 血管性:脳の血管障害が原因。抗血小板薬や抗凝固薬を併用しながら、生活習慣の改善も重要です。
- レビー小体型:脳内に異常なたんぱく質が蓄積し、認知機能低下とともに幻視などの症状が出やすい。抗精神病薬の使用には慎重さが求められます。
ご家族の方は「うちの親の場合はどのタイプか?」を主治医としっかり話し合い、薬の種類や効果、副作用について理解を深めることが大切です。
薬の効果が期待できる症状
認知症の薬は、記憶障害や判断力の低下、言語障害などの認知機能低下の緩和に効果があります。また、行動・心理症状(BPSD)と呼ばれる、不安や怒り、幻覚などの症状にも一部効果が期待されます。
ただし、症状の改善は個人差が大きく、薬だけで全てが解決するわけではありません。薬と合わせて生活環境の整備や心理的サポートが重要です。
薬物療法の限界と注意点
認知症の薬物療法には限界があり、効果が出るまで数週間から数か月かかることもあります。また、副作用が現れる場合もあるため、服用中は医師や薬剤師と密に連絡を取りながら経過を観察することが必要です。
「薬を飲んだから大丈夫」と安心しすぎず、日々の変化に目を配り、必要なら介護サービスの利用や専門機関への相談も検討しましょう。詳しい相談先としては、地域包括支援センターやかかりつけ医が挙げられます。お住まいの市区町村の高齢者福祉課に問い合わせると、最寄りの相談窓口を教えてもらえます。
アルツハイマー型認知症に使われる薬の種類
「お父さまがアルツハイマー型認知症と診断され、どんな薬が使われるのか知りたい」という方も多いでしょう。ここでは、アルツハイマー型認知症に主に使われる薬の種類と特徴について解説します。
コリンエステラーゼ阻害薬の特徴と効果
コリンエステラーゼ阻害薬は、神経伝達物質のアセチルコリンを分解する酵素を抑制し、脳内のアセチルコリン濃度を高める薬です。これにより、記憶力や認知機能の低下を遅らせる効果が期待できます。
代表的な薬剤には、ドネペジル(商品名アリセプト)、リバスチグミン、ガランタミンがあります。これらは軽度から中等度の症状に使われることが多く、服用開始後数週間から効果が現れることがあります。
ただし、副作用として吐き気や食欲不振、下痢など消化器症状が出ることがあるため、様子を見ながら医師と相談しつつ調整していくことが大切です。
NMDA受容体拮抗薬の役割
NMDA受容体拮抗薬は、グルタミン酸という神経伝達物質の過剰な刺激から神経細胞を保護する役割があります。ミルタザピン(商品名メマリー)が代表的な薬で、中等度から重度のアルツハイマー型認知症に用いられます。
この薬は神経細胞の過剰興奮を抑え、症状の進行を緩やかにする効果が期待されます。副作用は比較的少ないですが、めまいや頭痛が出ることもあるため注意が必要です。
最新の治療薬と臨床試験の動向
近年はアルツハイマー型認知症の根本的な治療を目指し、アミロイドβという異常なたんぱく質の蓄積を減らす薬の研究が進んでいます。2023年には、アデュカヌマブなどの抗アミロイド抗体薬が一部で承認されていますが、効果や安全性については議論が続いています。
臨床試験も多数行われており、新しい薬や治療法の情報は主治医や専門医から定期的に得ることが望ましいです。最新の情報は日本認知症学会の公式サイトなどで確認できます。
血管性認知症に対する薬の選び方と治療法

「お母さまが脳梗塞の既往があり、最近物忘れが増えてきた」と感じる場合、血管性認知症の可能性があります。血管性認知症は脳の血管障害によって引き起こされるため、治療法や薬の選び方がアルツハイマー型とは異なります。
血管性認知症の特徴と薬物療法のポイント
血管性認知症は、脳の血流不足や脳梗塞による神経細胞の障害が原因です。症状は段階的に悪化することが多く、記憶障害だけでなく、運動障害や感情の変化も見られます。
薬物療法では、血管の状態を改善し、再発を防ぐことが重要です。認知症の症状に対しては、アルツハイマー型で使われる薬が効果を示すケースもありますが、基本は血管の治療が中心となります。
抗血小板薬・抗凝固薬の役割
血管性認知症の治療で重要なのは、脳梗塞の再発を防ぐことです。抗血小板薬(アスピリンやクロピドグレル)や抗凝固薬(ワルファリンや新規経口抗凝固薬)が処方されることがあります。
これらの薬は血液をサラサラにして血栓の形成を防ぎ、脳の血管障害の進行を抑えます。副作用として出血リスクがあるため、定期的な血液検査と医師の指示に従うことが必要です。
生活習慣改善と薬の併用効果
薬だけでなく、血圧や血糖値の管理、禁煙、適度な運動、バランスの良い食事など生活習慣の改善も血管性認知症の進行抑制に欠かせません。家族の方は、ご本人が無理なく続けられるよう支援し、医療機関と連携していきましょう。
血管性認知症について詳しく知りたい方は、要介護2とは|基礎知識から申請・サービス利用まで完全ガイドも参考になります。
レビー小体型認知症に用いられる薬の種類と注意点

「お父さまが幻視や動作の硬さを訴え、レビー小体型認知症と診断された」と聞くと、どんな薬が使われるのか心配になるかもしれません。レビー小体型認知症は他の認知症と異なる特徴があり、薬の選択や副作用の管理が難しい場合があります。
症状に合わせた薬の選択基準
レビー小体型認知症では、認知機能低下に加えて、パーキンソン症状(動作の遅さや震え)、幻視、不安やうつ症状が現れやすいのが特徴です。これらの症状に対して、それぞれに適した薬が選ばれます。
例えば、認知機能低下にはコリンエステラーゼ阻害薬が使われることがありますが、パーキンソン症状にはドパミン補充療法が検討されることもあります。幻視や不安に対しては慎重に抗精神病薬を用います。
抗精神病薬の使用とリスク管理
レビー小体型認知症の方は抗精神病薬に敏感で、副作用で症状が悪化したり、重篤な副作用が出るリスクが高いです。そのため、抗精神病薬は最小限の量で、慎重に使われます。
ご家族の方は、薬の効果や副作用に注意し、気になる変化があればすぐに主治医に相談しましょう。薬の調整は医師の判断が重要で、自己判断での中断は避けてください。
非薬物療法との組み合わせ
薬物療法だけでなく、環境調整やリハビリ、心理的サポートもレビー小体型認知症のケアには欠かせません。例えば、明るく静かな環境づくりや、日常生活のリズムを整えることが症状の安定につながります。
詳しいケア方法については、認知症介護に役立つIoTデバイスまとめ【2026年版】なども参考にしてみてください。
認知症の薬物治療で注意すべき副作用と対策

「薬を飲み始めてから体調が変わったけれど、これが副作用なのか分からず不安」という経験はありませんか?認知症の薬物治療では、副作用の理解と対策が介護の負担軽減につながります。
薬ごとの主な副作用一覧
以下は主に使われる認知症の薬とその代表的な副作用です。
【薬の種類 | 主な副作用 | 注意点】
- 薬の種類: コリンエステラーゼ阻害薬 / 主な副作用: 吐き気・食欲不振・下痢・めまい / 注意点: 消化器症状が出たら医師に相談を
- 薬の種類: NMDA受容体拮抗薬 / 主な副作用: めまい・頭痛・便秘 / 注意点: 症状が続く場合は服用調整を検討
- 薬の種類: 抗血小板薬・抗凝固薬 / 主な副作用: 出血しやすくなる / 注意点: 定期的な血液検査が必要
- 薬の種類: 抗精神病薬(レビー小体型) / 主な副作用: 運動障害の悪化・眠気・意識障害 / 注意点: 慎重な使用と医師の指示厳守
症状や体調の変化に気づいたら、早めに医療機関へ連絡してください。副作用を放置すると、症状の悪化や別の健康問題につながることがあります。
副作用を軽減するための生活上の工夫
副作用を軽減するために、以下のような工夫が役立ちます。
- 食事は消化に良いものを選ぶ
- 水分を十分にとる
- 転倒防止のために室内を整理し、ゆっくり歩くよう促す
- 服薬時間を一定にする
これらは薬の効果を高めるだけでなく、ご本人の体調管理にもつながります。
医師とのコミュニケーションの重要性
服薬中の体調変化や不安は、必ず主治医や薬剤師に伝えましょう。医師は症状や副作用のバランスを見ながら、薬の種類や量を調整します。
また、介護家族の方も「副作用が怖い」という不安を抱えがちです。一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談してみてください。相談することで、気持ちが軽くなり、より良いケアにつながります。
よくある質問
認知症の薬について、家族の方からよく寄せられる疑問にお答えします。あなたも同じような不安を感じているかもしれません。
認知症の薬はどのくらいで効果が出ますか?
薬の効果が現れるまでには、一般的に数週間から数か月かかることがあります。コリンエステラーゼ阻害薬は服用開始から4〜6週間で効果が見られる場合が多いですが、個人差があります。効果が感じられにくい場合でも、すぐに中止せず医師と相談しながら続けることが望ましいです。
薬の種類はどうやって決められるの?
主治医は、ご本人の認知症のタイプや症状の程度、既往歴や他の薬の服用状況を考慮して薬を選びます。診断結果に基づき、最も効果的かつ安全な薬を提案してくれます。疑問があれば遠慮せず質問し、納得して治療に臨むことが大切です。
副作用が心配ですがどうすればいいですか?
副作用は薬によって異なり、全員に起こるわけではありません。服用中に体調の変化や不安を感じたら、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。自己判断で中止するのは避けてください。副作用を軽減する生活習慣の工夫も取り入れてみてください。
薬以外の治療法はありますか?
認知症の治療は薬物療法だけでなく、リハビリテーションや認知症カフェ、心理的サポート、環境調整などの非薬物療法も重要です。これらは症状の悪化を防ぎ、生活の質を向上させる助けになります。地域包括支援センターや専門機関に相談してみるとよいでしょう。
認知症の薬はどこで入手できますか?
認知症の薬は、必ず医師の診察を受けて処方箋をもらい、薬局で受け取ります。自己判断で市販薬やインターネットで購入することは避けてください。服薬管理が難しい場合は、薬剤師や介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談し、サポートを受ける方法もあります。
参考リンク(公的機関・一次情報)
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認知症の薬物療法について理解を深め、適切なケアとサポートを受けながら、ご本人とご家族の生活の質を守っていきましょう。薬だけに頼らず、生活環境の整備や地域の支援も活用することが大切です。
また、認知症の薬や介護についてさらに詳しく知りたい方は、「また同じこと聞いて…」認知症の親の繰り返し質問に疲れた時の対処法や服薬管理の工夫と支援機器|認知症の親の飲み忘れを防ぐ方法も参考になるでしょう。
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宮下拓磨
ReMENTIA株式会社CEO
ReMENTIA株式会社代表取締役 / 北海道大学情報科学院在籍 2021年に初任者研修を取得し, 有料老人ホームでヘルパーとして認知症介護に従事した経験がある. 認知症になっても変わらずに生活できる社会を目指してReMENTIA株式会社を創業. 2024年に未踏IT人材育成発掘事業に採択され認知症支援のためのAIを開発するなど, 現場に根ざした研究開発を得意としている.